評価とは

INAXギャラリーで偶然知った、建築家「前田紀貞」さんの展覧会『建築道』を、大岡山のお茶会の後に観てきた。

私の目当ては、その学生さんたちが、作品を発表するという発表会。そのプレゼンの仕方や、評価の仕方について興味があったからだ。私はwebデザインを10年、実務&経営としてやってきたから、建築とwebデザインという異なる世界とはいえ、「意匠」といったものを伝えるやり方は同じベクトルであると思ったので、ぜひ後学のためにと、参加してみた。

結果で言うと、非常に疑問の残る発表会であった。というのが正直な感想だった。

今回、学生に課せられた課題には自ら設定した「条件」がつくという。その条件があることで、建築が「理想」通りにはならないという制約を儲けることで、前田さんとしてはより「現実的、実戦的」な体験をさせたかったのだと思う。大概にしてクライアントはプロの意見とは異なる制約を付けるのは我々webデザイン界でも日常であるから、そういうポイントは良いと思う。が、この意味が学生に分かっていたのかはどうもプレゼンを聞く限り疑問が残る。

というのも、建築なので、一切の物理現象を無視した構造などあり得ないわけで、そのなかでかつ、一定の居住者条件と、立地条件も与えられているとすれば、これは既に条件としては十分なものであり、この前提条件下において建築家「自らが」設定した制約をつけることが本来の「クライアント」からの我が儘、あるいは政治的制約、宗教上の制約等である必要だと思うのだが。

建築についての意見は私は間違っているかもしれないが、「意匠」という部分については同じ道だと思っている。

また、発表されたプレゼン内容について、「ここが良くない」という意見ばかりが目立ち、答えへつながるアドバイスがなされていないことに非常に疑問を持った。うちの会社も徹底してプライドをぶち壊す期間というものがある。そもそも学生レベルの品質などほとんどビジネスにならないので、下手なこだわりは捨てさせるためにある。そういった時期だったのかもしれないが、問題を指摘した側には、必ずその解決方法を示す必要があると私は常々考えているし、実践している。

文句を言うのは誰でもできる。改善策と合わせて評価しなければ意味が無い。問われているのは難問ではないことは明らかである。難問であれば文句など出ない。答えが自分と違っているから文句が出る訳で、なぜその答えが異なり、正解はどのようなプロセスで導くのかを示す必要がある。

だがしかし、前田さんは本物であることは間違いの無い事実であり、多くの実績がそれを証明している。

私の知識が少なく、建築という全く関係のないジャンルのプレゼンに対してヤジを入れたことのほうがよっぽどマヌケなのかもしれない。

日中のお茶会の掛け軸が心に響く。

明歴々堂々

少しも、うそ、かくしがなく目の前に堂々と現われている真理を無心に眺めることの大切さに気づくことが尊い。

評価とは” への4件のコメント

  1. 初めて書簡をお送りいたします。
    私、前田紀貞アトリエの前田と申します。

    先日はわざわざ、私共の企画展へ足を運んでいただきありがとうございました。
    御礼申し上げます。

    yamagonの書かれていらっしゃる内容、誠に有り難い御言葉がであります。謙虚に受け止めさせていただき、己の先へ生かせるよう精進いたしたく思います。
    まだまだ拙い我々ではありますが、今後とも御指導御鞭撻いただければ嬉しいです。

    吹けば飛ぶような小さなアトリエそして建築塾ですが、気に留めていただけましたこと、アトリエ全員に代わりまして御礼申し上げます。
    ありがとうございます。

    機会があれば私達が事務所の隣でやっております酒場(典座)へもお越しくださいませ。
    http://www5a.biglobe.ne.jp/~norisada/TENZO/00TENZO_toppage.html

    yamagonへ、心からの挨拶をお贈り致します。

    前田紀貞アトリエ 前田紀貞 拝

  2. 申し訳ありません・・・
    「yamagonさん」と書くべきところを敬称略で書いてしまいました・・・・

    お許しください・・・・・

  3. >前田さん!!
    貴重なコメントまことにありがとうございます。
    前日にたまたまINAXギャラリーの7階にお伺いしたところ、非常に熱心に生徒さんが建築について解説していただき、またハードボイルドな前田さんの仕事風景も感じることができ、とても関心を持って参加させていただきました。
    正直なところ、前田さんの存在にビビっているのですが、近いうちに典座まで行きたいと思います。
    今後ともよろしくお願いいたします。

  4. そうなんですか。
    ありがとうございます。とても嬉しいです。

    是非、典座にお越しくださいませ (^-^)v

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">